最初に考えるべきこと
「ホームページを作ろう!」
そう思い立った時、皆さんは最初に何を考えますか?
以前は「色やイメージ」から話を始めるクライアント様も多かったのですが、ここ数年、WEBマーケティングの概念が広まってきたので、目的の共有からお話ししてくださるクライアント様も増えてきました。大変嬉しいことです。(デザインも大事ですが、最初に話すことではないですね)
最初に考えるべきことは、「ホームページの目的」です。
何を伝えるのか?
何を感じてもらうのか?何をしてもらうのか?
ゴールは何か?
これをはっきりさせていなければ、本当に成果の出るホームページは作れません。テンプレートに押し込める「よくあるホームページ」が出来上がり、何がいいのか、本当に成果が出ているのかわからないまま、モヤっとしたものを使い続けることになります。
けれど、実はその前にもう1つ考えるべきことがあります。
成果が出ない事例
個人で事業をなさっているクライアント様との初回のヒアリングでの出来事です。(Aさんとしますね)
Aさんは、これまでの集客方法ではなかなか成果が出ず、「これから先もっと売り上げをあげたい状況なのに、どうしよう」とお悩みでした。ところが、ホームページを作るにあたり、これまでの発信内容や、Aさんがやりたいと思っていることを、細かくヒアリングして行くと、あることに気づきました。
それは、Aさんが本来やりたい方向性、強みや持ち味、商品の魅力、お客様が魅力と感じそうなところと、コンセプトやポジショニングが、思いっきりズレていることでした。
Aさんは東京在住。実際にお客様のところへ訪問して行うサービスを提供しています。実は業界では非常に知名度・実力が高いAさんでしたが、東京には同業者が多く、ご本人の発信下手も災いして集客に苦労しておられました。
そもそもが訪問サービスですし、サイトのタイトルや本文にも「東京」と目立つように書いておられたため、必然的に近隣からのご依頼が中心。サイトを作るにもどうやって成果を出すか悩ましいなあと感じながらお話を聞いていました。ところが時間をかけてヒアリングを進めていくと「顧客の中心層は地方からのニーズで、交通費も含め予算もふんだんに出すお客様が多い。旅行も好きだから地方へどんどん行きたい」とおっしゃるんです。
実はAさんのサービスは、東京では激戦であるものの、地方では提供している人が少ない特殊なものでした。地方はブルーオーシャンで単価も高そう。そして、Aさんはそこに対応できる状況にある。つまり、Aさんの強みは、全国対応可能である、という点でした。
にも関わらず、既存サイトでそれをアピールしてないのは、なぜですか? 東京と目立つように入れているのは、なぜですか? とお聞きすると、Aさんの回答は「SEOのために地名を入れた方が良いと聞いたから。」そして、<「全国に行くなんて言うの、図々しい」
Aさんは、周囲から入ってくる情報やノウハウ、心理的なブロックにジャマされて、ご自分の持ち味に気づかず、わざわざ困難な道を選択してしまっていた、と言うことです。
ここを掘り出せないまま、Aさんのおっしゃる通りにホームページ作っても、まず成果は出ません。
本当に最初に考えるべきこと
Aさんの例は、非常にわかりやすいシンプルなものでしたが、こういったことは珍しくありません。大きな企業でも見受けられる状況です。主観や解釈が入ってしまうだけでなく、個人でお仕事をされている方の場合は「」が、企業様の場合は、売り上げ目標や商品への思いからくる「売り手の心理」が、入ってしまうんですね。
その結果、本来の持ち味や魅力が薄まり、ズレが生じてきてしまいます。
多くの場合、お客様が自社サービスの何を魅力に感じ、どこにニーズがあるか、リアルな声が理解できてないんです。耳に入っていないのではありません。聞こえていても、スルーしているのです。そして、大事な声をスルーし、ネットの情報や自分の思いを優先して、こうした方がいいらしい、こうするのが当たり前、とずれて行きます。
ホームページを作る前に、一番初めにやること。
それは、今一度、経営コンセプトや自社・サービスの魅力を固め直すことです。
そして、自社で洗い出した後、必ずそれをお客様の目線で見直してください。そこから、WEBコンサルの出番です。一般的な制作会社は、ローコストで提供するためこういったコンサルはあまり行いません。ですが私は、ホームページの制作とコンサルは一体であるべきと考えています。ですので、受注前からずっと製作者としてだけでなくコンサルとしてクライアント様と関わります。
構築の最初に、制作側とクライアント様が二人三脚で強みの発掘を行うことで、ホームページの軸が整うというわけです
ターゲット、やりたいこと、売りたいこと、どういう打ち出し方をしていけばいいか、ご自身の思いをクリアにしつつ、客観的な視点(=お客様の視点)を加えて、これから進む道を、まっすぐな道にしましょう。
コンサルのみのご相談も受け付けております。